ソレノイドバルブのご紹介
ソレノイドバルブ(電磁弁/Solenoid Valve)は、電磁コイルに電流を流して発生する磁力でプランジャー(可動鉄心)を作動させ、液体・気体の流れを瞬時に開閉・切替する電磁制御バルブです。
遠隔操作や自動化、高い応答性が求められる産業用途で広く使用され、設備の安全・品質・効率に直結します。
ソレノイドバルブの仕組み
- コイル(電磁コイル)
通電することで磁場を発生し、プランジャーを動かす役割を担います。コイルには被覆材(樹脂など)で保護されていることが多いです。 - プランジャー(可動鉄心)
磁力で上下に動き、弁の開閉を行います。プランジャーの材質や形状により応答速度が異なる場合もあります。 - スプリング(復帰ばね)
通電を止めた際にプランジャーを元の位置に戻して弁を閉じる役割があります。ばねの強さでバルブの復帰速度や保持力が変わります。 - 弁座(オリフィス)
流体の通路を密閉または開放するための部分です。高精度な密閉性が求められる用途では、ゴムシールや特殊な材質が使われることもあります。 - バルブボディ
バルブ全体を覆い、流入口・流出口が設けられています。ボディの素材には、ステンレス、真鍮、樹脂など、用途に応じて選ばれます。

作動原理(2ポート・直動式・常閉NCの例)
- 無通電(OFF):ばね力でプランジャーが弁座を押さえ、閉。
- 通電(ON):磁場がプランジャーを引き上げ、弁座が開き入口→出口へ流れる。
※直動式は微小流量や低差圧でも確実に作動します。
作動タイプ
- 常閉(NC):無通電=閉、通電=開
- 常開(NO):無通電=開、通電=閉
- 直動式:プランジャーが直接弁を開閉。低流量・低圧差・高速応答に有利。
- パイロット式:補助ポートの圧力を利用して主弁を駆動。大流量・高圧差に適し、省電力。
用途例

バルブ制御
水処理設備冷却システム

エア・水・油の制御
工場自動化ライン

衛生的流体管理
食品・飲料製造ライン

流量制御
医療機器
精密機器
- 水処理・冷却設備:フィルタ洗浄、補給水、冷媒回路の開閉
- 工場自動化ライン:エア・水・油のON/OFF、切替、シーケンス制御
- 食品・飲料製造:衛生性が求められる流体の管理(洗浄媒体、CIP/SIP補助)
- 医療・精密機器:微量流体の制御、真空・ガスラインの切替
- 一般的なバルブ制御:遠隔制御やインターロックが必要な系統
仕様選定のポイント
流体条件
- 種類(空気・水・油・蒸気・薬液・不活性ガス 等)、粘度・腐食性・清浄度、許容漏れ量
- 温度範囲/凍結・スケール対策
圧力・流量
- 最高使用圧力、差圧条件、目標流量(Cv/Kv)
- 直動式/パイロット式の適否(差圧の有無で決定)
材質・シール
- ボディ(SUS、真鍮、PPSU等)/シール(NBR、EPDM、FKM、PTFE等)
- 衛生規格・薬液適合性の要件
電気仕様・保護等級
- 定格電圧(DC/AC)、消費電力、コネクタ方式
- IP等級、耐環境性(防滴・防塵・耐熱)/防爆要件がある場合は該当規格
規格・認証
- CE、RoHS、(用途により)FDA相当材質、REACH 等の対応可否
まとめ
ソレノイドバルブ(電磁弁/Solenoid Valve)は、電気信号で流体をダイレクトに制御できるため、産業用オートメーションの中核部品です。
日正信株式会社は、直動式〜パイロット式、NC/NO、各種材質・シール、国際規格対応まで幅広くご提案し、選定・導入・保守を一気通貫でサポートします。
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